【アイブロウ業界のレジェンド】一般社団法人 ジャパンアイブロウライセンス協会(JEBLA)代表理事の福森さんにインタビュー

福森 鈴子さんインタビュー

一般社団法人 ジャパンアイブロウライセンス協会(JEBLA)の代表理事 福森 鈴子さんにインタビューさせていただきました。

一般社団法人 ジャパンアイブロウライセンス協会は、健全なアイブロウ業界の発展をさせるために活動している団体です。アイブロウに関する技術研修や、資格認定などを通じて、アイブロウ技術の普及、理・美容技術者の技能向上に取り組んでいます。

アイブロウ業界の発展には欠かせない団体の代表理事を務める福森さんにアイブロウ業界の動向などについて幅広くインタビューさせてもらっています。

福森さんプロフィール

一般社団法人 ジャパンアイブロウライセンス協会(JEBLA)
代表理事
福森 鈴子さん

ジャパンアイブロウライセンス協会代表理事福森 鈴子さん

2005年、プロの眉形成技術者がいないことに気づき、美容業界での新しい文化として、ワックスを使用した眉ワキシングケアのレディース&メンズ市場の可能性も感じ研究を始める。現場経験をしていく中で、アイブロウと内的要素が繋がっていると確信し、観相学の第一人者、故藤木相元氏より学び、これまでの研究が、点が線となり答え合わせが出来る。後、アイブロウフィロソフィーを掲げ、全国スクール展開をする。2010年、眉商材メーカーとして開発も行う。2012年、眉学を基に日本初、ブロウティスト®検定制度を取り入れ、アイブロウの検定試験をスタートさせる。そして、眉学のビジョン整顔眉学®のため、2018年5月ハワイ大学医学部 人体解剖実習 修了。全国にアイブロウ形成技術者を育成、そして、眉の哲学を伝道師として、美容業界で講演、指導などを行っている。
公式HP:https://www.eyebrow.or.jp/

インタビュー担当

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眉毛サロンナビ編集長

杉田 陸 

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眉毛サロンに定期的に通っています。これまで15ブランド以上の眉毛サロンで施術を受けた経験あり。アイブロウデザイン学・ワキシング学講座受講。そのため、眉毛サロンを選ぶときのポイントや人気サロンの特徴などを熟知しております。読者に眉毛サロンの素晴らしさをお伝えできるように記事を作成します。

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目次

お客様をトラブルから守る!?協会を立ち上げた理由

JEBLA福森 鈴子インタビュー

杉田:本日はよろしくお願いいたします。

福森さん

こちらこそよろしくお願いいたします!

杉田:まずはアイブロウライセンス協会を立ち上げた理由を聞いてもよろしいでしょうか。

福森さん

現状のアイブロウメニュー(アイブロウ全般の技術メニュー)では、海外からの輸入技術と、知識が大半であり問題があります。やはり、海外技術ではなく、日本人の肌に合った施術行程が必要です。

私は、長年の現場経験より、ノウハウと知識と技術はすでに身についていたので、正しい知識と技術を伝えられます。まずは、ワックス・カール剤の商材選びからとても重要で、商材知識を知らないと、肌トラブル・肌剥離・低温火傷などを起こしたりします。

特にアイブロウワキシング技術(以後、ワキシング技術)の差により、お客様に強い痛みを感じさせたり、肌トラブルを起こしたりします。アイブロウカールも含めた同時施術に関しても、しっかり基礎知識・技術を統一化して、お客様の肌を守るために、美容業界の啓蒙活動をするために協会を作りました。これが1つ目の理由です。

杉田:新しい技術にはトラブルが付きものなんですね。

福森さん

そうなんです。

2番目の理由は、『アイブロウデザイナー』のプロを育成することです。アイブロウメニューに絶対に欠かせないのは、「アイブロウデザイン」ができるか、そして、デザインを表現する「デッサン力」です。


1人として同じ顔ではないため、お客様がどんな表情になってもその方の成りたいイメージが崩れないデザインをデッサンできることが重要です。ほとんどの方がデザインを、黄金比率理論と、感覚でデザインしています。

これは、眉の位置だけの比率であるため、幅のあるデザインは全くできなくて、技術者と同じ眉の形(デザイン)になってしまう傾向があります。感覚でデザインしているということです。

杉田:そんなに眉のデザインは難しいのですね!?

福森さん

はい、そうです。お客様のニーズに合わせたデザイン力は、感覚だけでは様々なデザインを表現できません。

例えば、お客様に「今度、就職の面接があります!」と言われたときに、どんな眉デザインを提案するか、そして、それがその方に似合わなければなりません。

眉の太さ・角度・大きさ・上下をどうするのか、顔のパーツバランスも見て、なぜそのデザインにするか答えられるロジックが必要なんです。

杉田:多くのアイブロウサロンがデザインが上手になってくれるのは嬉しいことですよね!眉毛のデザインが気に入ったら、多分そこのサロンのリピーターにもなるわけですね!!

福森さん

そうです!そして、最後に3つ目の理由があって、眉毛の研究をすることです!『アイブロウといったら、日本のあの協会だよね』というのを目指したいです。来年からある大学と連携して、「アイブロウは人間にとってどんな存在か」ということを、いろんな研究とエビデンスを取っていくことが決まっています。

最終的には論文発表できるぐらいまではやりたいです。眉毛が生理学・病理学的に世界でどこまで研究されてるかっていうことを大阪公立大学の医学研究科に依頼し、6ヶ月間調査して頂いたのですが、実は全く研究結果報告がなかったのです。

私は、人間にしかない眉毛は、身体的および心理社会的効果があると考えています。今後、協会で得た利益は、こういった眉に関する研究に回し、まずは、技術者がエビデンスを基に正しく技術提供ができ、それがお客様を守ることに繋がると考えています

世界初、『眉毛(アイブロウ)といったら、日本のあの協会だよね』っていうところを目指し次世代に受け継いでもらえる道創りをしていきます。

杉田:ちなみに研究というのは具体的にどのようなものですか?

福森さん

一つは生理・病理学的なもので、眉毛がなくなる人とか、生えない人とかは何の作用でそのようになっているかの研究です。

もう一つは、アイブロウを整えることによってどれだけ自己肯定感が上がったかとか、やる気が上がったか、あとは、周りの評価によってどういう仕事に影響が出てきたかとか、いろいろな分野を研究していきたいと思っています。

アイブロウ検定により技術力のあるサロンが評価される!

JEBLA福森 鈴子インタビュー

杉田:協会として研究以外に取り組んでいることを教えてください。

福森さん

社団の名称が、「アイブロウライセンス」を入れましたので、勿論、「アイブロウデザイナーの資格」を査定する検定試験があります。それぞれの分野の知識・技術レベルどちらも評価する検定を行っています。

3つの検定がありますが、ワキシング技術に関する「ワキシング検定」・アイブロウメニュー全般に必須なデザイン技術に関する「デザイン検定」・美容師がヘアとアイブロウ似合わせデザイン提案能力を評価する「バングアイブロウデザイン検定」があります。

ワキシング技術、デザイン技術は、全く異なる技術になるために特化した検定を別に創りました。ワキシング技術では、お客様の眉に負担がない技術かどうか、ワックスの選定の仕方などです。

デザイン技術では、眉単体デザイン、目元に合わせたデザイン、顔に合わせたデザインなどです。それぞれの検定試験に三級から一級を作り、正しく評価をする検定となっています。

杉田:眉毛に特化した検定があるとお客様も眉毛サロンを選びやすくなりますね!ちなみにこちらはどのように広めていくんですか?

福森さん

まずは、一つは美容学校への導入です。美容学校の中にはもう選択科目じゃなくて、新しい分野のコースでは必須科目に入ったりなど、協会のカリキュラムの授業を入れた学校も出てきましたあとはヘアケア業界です。こちらも今多くのサロン様がアイブロウメニューの導入を検討しています。

杉田:この検定学習を獲得するメリット、は何になるんでしょうか。

福森さん

サロン様のメリットは技術者と共に第三者機関から認定してもらえることです。それによって、技術者は自分の技術と知識の現在地が明確にわかり、次のステップを目指してチャレンジできることです。

あとは、本検定合格者にはバッジを発行しているので、認定バッジが取れることによって、『私はどういうカリキュラムを学び、知識・技術を、他の第三者認定から認定受けてますよ』ということを、お客様に対してアピールできます

杉田:眉毛サロンが多くなってきている現在において、技術力の高さを証明できるバッジはサロン側にとっては嬉しいですね。

福森さん

そして、お客様にもメリットがあります。バッジを持ってる人・お店があると安心して通えるサロンに出会える、選びやすくなる、と思っています。

お客様も嫌な思いをした人も多くいらっしゃると聞きます。自分の肌質が問題ではないはずなのに、技術者の知識不足、技術不足によって肌トラブルが起こったりとか。

あとは自分の納得したデザインをしてもらえなかったとか。『えっどこで私の望みを叶えてくれるの?』『ワックス怖いから、もう私はワックス諦めよう』っていう人たちを作っちゃうわけですよ。

そのような方々が安心して眉毛サロンに行くためにもこの検定の認知を広げていきたいと思っています。

杉田:僕もレベルの低いサロンも経験してきているので、このバッジによって技術力が保証されているサロンを選びやすくなるのは非常に助かるなと思います。

福森さん

お客様が、眉サロンを何の基準で選ぶかといったら、価格とか、ビジュアルとか文言とかになっています。正直文言やアピールポイントなんて、書きたい放題書けるわけじゃないですか。

お客様はそこだけで選んではいけないよねっていうのは思っています。ただ、お客様もリテラシーが上がっているので、これからもっとお客様の方が慎重になってくると思うんですよ。

なので、技術力が伴っておらずマーケティング頼りのサロンはお客様が離れていくと思います

杉田:多くの眉毛サロンオーナーさんから、お客のリテラシーが高くなってるっていう話を耳にします。

福森さん

本当にそうです。お客様は黙って失客していくからサロン側は気づかない。そうしてお客様がいなくなっていきます。

アイブロウ業界の課題はプロ意識の低さ!

JEBLA福森 鈴子インタビュー

杉田:現在のアイブロウ業界の課題はなんだと考えていますか。

福森さん

一番は技術者の学びの時間が足りない、まだまだその学びが必要だと捉えられていない。そして、トラブルに関して疑問を持たないことだと思います。

もっと端的に言うと職人がいない、プロ意識が足りない

杉田:僕もそのように感じる場面があります。私は一番多くの眉毛サロンを見ていると思うのですが、プロ意識の低い技術者はかなり多くみてきました。

福森さん

結局、一番はもうプロ意識なんです 。

私はやっぱり技術者って職人だと思ってるし、永遠と技術を磨き続けるものだと思っています。なのに『自分の技術を磨いていく』っていう精神性がもう今なくなっているように思えます

技術者って『道』が必要だと思ってます。『眉道(びどう)』って言うんですけど、眉毛を整えるだけのサービスではなくて、そもそも眉毛を整えるっていうことがどういうことなのかっていう、『道』、精神道みたいなものを持つ必要があると思っています。

杉田:たしかに信念など根本にある方は少ないのかもしれませんね。

福森さん

検定を取り入れることでサロンスタッフ全体にプロ意識を作ることができると思っています。例えば、一人のスタッフが検定を取ることによって、指名が増えて指名料が給料として反映されます。そうすると他のスタッフも「私も取らなきゃ」となるんです。

そして最初に検定合格した人がさらにレベルの高い検定に合格すると「私ももっとレベル高くなりたい!」となり、自然と意識が変わっていき、プロ意識が芽生えてきます。

実際に検定を取り入れたサロンでは、この現象が起こっており、平日・土日ともに予約が埋まっている大人気店サロンになっています。

杉田:すごいですね。一人検定合格者がいたらサロン全体としての意識って変わっていきますよね。

福森さん

本当にこの検定で業界が健全化されると思っています。実は検定も美容学校も儲からないんです。ただ、私は非営利にしてもよいという気持ちで協会の運営をしています。

眉毛業界はまだ伸びるのか!?

JEBLA福森 鈴子インタビュー

杉田:アイブロウ業界の今後の伸びってどう予想していますか。

福森さん

これからまだまだ伸びていくと思います。アイラッシュ業界の方々の一部では「今からアイブロウメニューを導入するのはもう遅いですよね」っていう人が多い。

ただ、それはアイラッシュの方々がトレンドとしてアイブロウに飛びついて、技術力が高くないままやっているから、お客様が付いていないだけだと思います。中途半端にやってるアイブロウメニューはもう通用しなくなってくると思うんですよね。


自サロンのアイブロウメニューが流行らないのを、デザインが難しいからとか、地域のせいにしてみたり、価格のせいにする人をたくさん見てきました。

杉田:確かに。最近だとお客様のリテラシーが高いので、技術力の低いサロンから人が離れていき閉店していますよね。以前行ったサロンがイマイチだったからサロンを変えたっていう声も多々聞きます。

福森さん

眉毛は、髪の毛と同じく体の一部としてケアが必要な部位なので、理・美容師資格が必要です。「アイブロウのワキシング技術は、必ず美容文化になっていく」とこれまで歩み続けてきました。

そして、この文化を創ってきているという認識があります。それをしっかり公的なものにしていくために、最終はアイブロウワキシング技術を、国家資格(美容師免許)の一部の試験内容に入れたいです。

また、美容室がアイブロウメニューを導入すればさらに文化として確立されていくと思います。なぜならヘアもアイブロウも同時に高いレベルでデザインしてもらえたら、お客様はかなり嬉しいし、楽になるじゃないですか。

そのために、美容学校へアイブロウ技術の授業を取り入れてもらう活動をしています。通常はアシスタントとして1年〜2年くらい下積みが必要ですが、美容学校からアイブロウができる方々がお店に就職できれば、アイブロウメニューを任せることができてかなりお店の生産性を上げることができます。

美容学校の生徒様も自分の武器が持てる。そして、サロンもさらに単価がアップできる。お客様もヘアと一緒に高いレベルのアイブロウデザインをしてもらえる。すべての人にとってwin-winなんです

杉田:美容室で眉毛が整えれたらかなり楽でいいと思います!あとは業界が伸びるためには正しい技術が広がってほしいなと思います。

福森さん

あっ、これだけはお伝えしたいのですが、「間引き」については絶対に辞めてほしいです。本当に生えなくなるし、取っちゃいけないとこ取ってるんですよ。例えば、毛量調節って言って、美容師さんが髪の毛抜いていますか?という話なんですよ、絶対そんなことしませんよね。

美容師の人に間引きについて聞いても、「職人としてはありえない」と言うと思います。

杉田:僕も間引きを受けたことがあります。当日〜1週間くらいまでは綺麗なんですけど、時間が立つにつれてなんか穴が空いているのがわかってきたんですよね。毛の伸びるペースが違うっていうのと、抜くと減毛効果があるので生えにくくなっていたのかなと思います。

福森さん

このようなことを研究を通して解明していきたいと思っています。

眉毛サロン選びは慎重にしてほしい!

JEBLA福森 鈴子

杉田:眉毛サロンナビの読者さんに伝えたいことをいただきたいです!

福森さん

アイブロウ一つで印象が変わり、周りの評価も変わります。なので、アイブロウをしっかり学んでいるところに行って欲しいですあと消費者の方々も、アイブロウデザインでどれだけ変わるかって、まだそこに気づいてないような気がするんですね。

あなたが本当になりたい顔、イメージ、生き方、すべてに合うスタイリングをしてくれる技術者を見つけてほしいです。また、選ぶことは自分の責任であるっていうことも、自覚持って選んでもらいたいです。

杉田:私も読者の方々が良いサロンに出会えるサポートを眉毛サロンナビでできるように取り組んでいきたいと思います。本日はお忙しい中ありがとうございました。

福森さん

こちらこそありがとうございました!

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この記事を書いた人

眉毛サロンに定期的に通っています。これまで15ブランド以上の眉毛サロンで施術を受けた経験あり。アイブロウデザイン学・ワキシング学講座受講。『JEBLA眉スタイリング学検定』試験合格。そのため、眉毛サロンを選ぶときのポイントや人気サロンの特徴などを熟知しております。読者に眉毛サロンの素晴らしさをお伝えできるように記事を作成します。

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